おへそのごまを取るとおなかが痛くなると我々子供の頃言われたものです。胎児期にはおへそから膀胱に至る尿膜菅という器官を介して排泄を行っております。通常この菅は出生後に閉じますが、まれに閉じずに残る場合があります。これを尿膜菅遺残といい、ここにおへそからあるいは膀胱炎を生じた膀胱から感染を起こした時には腹痛の原因になり、時には手術が必要な場合もあります。尿膜菅遺残のない方の場合は余程乱暴なことをしなければ大丈夫でしょうが、おへそをさわって腹痛が生じたときは医療機関を受診する必要があります。
(2025.6)