性病

いわゆる性病といったものは、時代によって流行はあるものの、最近でもクラミジアトラコマチス感染症、淋菌性尿道炎を中心にむしろ増加傾向にあります。
男性の場合は、尿道の先から膿が出たり、排尿時に痛みを感じたりと女性に比べて症状が出やすい場合が多く、病院にかかる機会も多いようですが、女性の場合 は症状が出ず、数年間も放置されている場合もあります。他に、梅毒、コンジローマ、性器ヘルペスなどは皮膚に現れた特有の症状をみて受診される方が多いよ うです。
知識がなかったりあるいは恥ずかしさのため、受診をせず長期間放置されていたため、診断や治療に時間がかかってしまったり、また逆になんでもないことを過 剰に心配しておられるかたも多く居られます。通常は、症状を見たり、血液や尿検査で簡単に診断がつけられ、抗菌剤の投与等により短期間で治ります。
ご本人はもとより、パートナーや同居する家族のことも考えれば、気にかかることがあれば、速やかに専門医を受診され治療を受けられることをお勧めいたします。

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性器クラミジア感染症

性病のうちで、もっとも多く、また最近増加の傾向が激しいのがクラミジア・トラコマチスによる感染症です。
男性の場合は通常尿道炎として発症するのが通常です。症状は、尿道からの分泌物、や排尿の際の尿道のかゆみ、不快感、痛みですが、症状のない場合もあります。慢性化した場合には、精巣上体(副睾丸)炎、前立腺炎の原因となる場合もあります。
女性の場合は子宮頚管炎としてまず発症することが多く、下り物の増加や、出血、下腹部痛などで気づくこともありますが、男性以上に症状が出ないことも多く、注意が必要です。気づかずに放置した場合には、骨盤部の腹膜炎から、肝臓周囲にまで炎症が及び、激しい腹痛をもたらしたり、不妊症、流産、早産の原因となる場合もあります。
咽頭・扁桃腺炎 オーラルセックスにより咽頭炎、扁桃腺炎を発症することも知られておりますが、多くの場合、症状として特有のものはありません。
検査・治療 検査は男性の場合は尿から、女性の場合は膣分泌物からPCR法で検査をするのが普通です。また、治療は原則としてクラミジアに有効な抗生物質を決められた期間内服します。

梅毒

 2014年ころからでしょうか、それまで年に1-2人診るか診ないかだったfreshな梅毒の患者さんが急激に増えているように感じます。

昔、スペインではイタリア病、イタリアではスペイン病と呼ばれていたそうですが、いずれにしても国境を越えた交流が流行をもたらすようです。

確かにアベノミクスに続いて、私の身の回りでも、大阪、京都、神戸などで外国人旅行者が急増していますが、その時期と一致しているようにも感じます。

泌尿器科の特徴でもあると思いますが、今のところ風俗店で男性が感染して受診されるケースが殆どで、他の性病のように一般の人同士の性交渉で感染した例はまだまれです。風俗店へ行くなといっても行く人は行きます。また、普段行かない人でも皆が行くからつい、というケースも少なくないようです。

検査法、治療法については別のサイトに譲りますが、身に覚えのある人はためらわずに専門医を受診していただきたいと思います。自分やパートナーの問題以上に、その後に来るであろう先天梅毒を発症してしまうと罪もない子供が可哀そうです。